
こんにちは!ハリボーです。
今回は、難関大学物理で出題が多い束縛(拘束)条件について解説していきます。この束縛(拘束)条件が解けるか解けないかで合否が決まるようなとっても重要な問題です。
この記事は次の項目に当てはまる方におすすめです。
・束縛(拘束)条件を意識するタイミングが知りたい方
・動滑車に適用できる束縛条件の導出が知りたい方
・三角台運動に適用できる束縛条件の導出が知りたい方
・円運動に適用できる束縛条件の導出が知りたい方
・束縛条件におすすめの問題集を探している方
束縛条件ってなに?
物体はなんらかの影響によって運動が制限されることがあります。このように物体を制限している条件のことを束縛条件と言います。

ドユコト!?
では、具体的に下のような問題を考えてみましょう。これは動滑車によって物体の運動が制限されています。
問題で問われている関係式のことを束縛条件と呼びます。

え、、?
束縛条件って問題で与えられてる全ての条件な気がしてきたけども、、
ある意味、正解です!ただし、束縛条件とは特に運動方程式には反映させることができない条件のことを示します。
つまり、束縛条件は運動方程式に反映させることができないため、自分で物体間に存在する束縛を見つけて式を立てなくてはなりません。
束縛条件を立式するタイミングは?
答えは、数学の考え方と同様に『未知数が式の数より多い時』です。
束縛条件を利用する問題の解き方の手順は以下のようになります。
手順2 未知数と式の数をそれぞれ数える
手順3 未知数の方が多い場合は、束縛条件を立式する
手順4 連立方程式を解く
解き慣れてきた場合には、問題を見た瞬間に

束縛条件の問題だ..
とわかるようになるので、手順1の段階で立式できるようになるのが目標です。
では、束縛条件式の立て方を説明していきますね♪
動滑車の束縛
この問題は上に挙げた問題と全く同じですが再掲しておきますね。
まず、以下のように変数を設定していきます。
では、早速拘束条件を求めてみましょう。糸の総長さは時間によって変化しないのは当たり前ですよね。しかし、運動方程式には組み込めないのでこれが束縛条件と呼ばれるものです!
この図から、糸1,2の長さはそれぞれ一定であることから、
$$(x_B-x_P)+(x_C-x_P)=l_2$$
が成立する。これら時間微分すると
$$(v_B-v_P)+(v_C-v_P)=0$$
さらに時間微分すると、同様にして
$$(a_B-a_P)+(a_C-a_P)=0$$
となる。これで拘束条件が求められましたね!
三角台の束縛
次に新しい問題として、三角台問題を考えます。
では、早速拘束条件を求めてみましょう。少し時間経過後の物体P、Qの様子を青線で描いています。右向きを正とした時、それぞれの変位は画像のようになります。
従って、幾何的な性質から
が成立します。両辺を2階時間微分すると、
となる。これで束縛条件が求められました!
円運動の束縛(慶應 理工 2021年)
次に紹介するのは、慶應が多く出題する円運動と絡める束縛条件の問題です。この問題では、『どの視点から物体の運動を見るか』がポイントになってきます。円運動は地上から見た速度で成り立つのか、もしくは物体に乗って見た速度で成り立つのかしっかり考えていきましょう。
次に、逆U字型物体の速度Vを速度vaから除いて、逆U字型物体からみた速度に変換し、円運動を出現させましょう。
図より、逆U字型物体からみた小球の水平成分の速度は、vx-Vとなります。
黄色の丸で囲った部分を拡大した図が下です。
この図から、
となる。これで束縛条件が求められました!
複数糸の束縛(東工大 2016年)
東工大2016年度の問題を解いてみましょう。この問題は、束縛条件の知識がないと解けなくなる問題となっています。東工大はこういった糸による束縛を考える問題が出やすいです。(2021年第一問でも出題)

が成立します。両辺を2階時間微分し整理すると、
となる。これで束縛条件が求められました!
束縛条件が学べる問題集
以上の他にも束縛条件たテーマの問題は様々なものがあります。慶應の過去問をはじめ、東工大、早稲田、東大など難関大学にはお決まりのテーマですので、今回扱った基本的なテーマに関してはマスターしておきましょう!束縛条件を学べる問題集を二つ紹介しますね。どちらも難易度が高い問題集ですから、難関大学受験生で周りに差をつけたい方にかなりおすすめです。
以上です!お疲れ様でした!!
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